2017年11月9日木曜日

ゲームマーケット秋、個人的購入備忘録|中盤編

前編はこちら

さて、備忘録中盤編です。

私自身「ボードゲームクイズ」を頒布する身であるわけですが、ゲームマーケットはボードゲームだけではなく、書籍や関連グッズも多数販売されます。
今回は、それらのブースを一つにまとめることに致しました。


※前提としまして、こちらに記載の作品は、全て私「番次郎」自身が予約済み、または、なんらかの不備が生じない限り確実に購入することを前提に上げておりますそのため、他のブログ様に比して取り上げる数も少なめかと思います。あらかじめご了承ください。


(予約あり、の欄はゲーム紹介ページにジャンプします。そのページには予約フォームが掲載されておりますので、適宜ご確認ください)



鍋野企画 予約あり
新作のムッジーナは神経衰弱をテーマとした作品。「こどもから大人まで!シンプルで楽しい」、そのテーマは今作も継承されている模様。テーマだけ拾うと、HABA社の隠れた名作「誰だったでしょう?」を彷彿とさせる。まるでおとぎ話を紡ぐかのように、親が子どもと遊んであげたい、そんな手元にいつでも置いておきたい作品。イラストはもちろん鍋野たまさん。

Kino.Q 一部予約あり
ゲームマーケットで最近見かけるようになった変則神経衰弱、このブースが提供するのは「紙」、しかも信じるものは己の「触覚」。さらに、そこいらの上質紙ではなく、レザックだのOKフェザーワルツだの何が何だか…。この「触覚」という概念を引き出した(もちろん視覚を用いるならばそれもよし、でしょうが、できるならばね)遊び方にセンサーがビンビンくるわけです。この「脳内のどの細胞を新たに使えばいいのか教えてよ!」という感覚、新機軸の作品を体験する楽しみは、おそらくそこにあるのではないかと個人的に思うのです。
すでに「この人に遊ばせたい!」という候補が上がっております。名古屋の某盤上遊戯様、狂信者の某工房様、などを一堂に会し、頂上決戦する卓を見てみたい。。。

Corolla
お天気推理ゲーム「Weather Report」、コンポーネントは黒板と木製タイル。それら5日間の天気を一人の気まぐれ神様が決める。これに他の人間が「はい」「いいえ」で答られるように質問するという方式の、はっきりとルールが提示されていない中で、おそらく「連想ゲーム」のような作品を妄想する。
こういった作品、ゲームマーケットでなければなかなか入手できない。もちろん通販等手段を講じることで手に入れることはできるのでしょうが、それでも「神様となって天気を操作する」といった設定を導入部に持ってくる、と、このメルヘン世界に引き込むためにも、やはりシンプルながら練りこまれたデザインのトークンや黒板が必要だったのか、と。確かにこれならハートを掴みやすいです。
とにかく製作者のブログや一連のツイートがオシャレで、購入意欲をそそられる。それらもこの作品と合わせて読み合わせたいと思います。


するめデイズ 
新作「アニマランブル」、情報こそ少ないのですが、四人で行うゲームの様子。今後は取り置き予約なども行う模様。こちらは少し情報待ちです。
するめデイズ様の作品は人気作が多いため、各店舗在庫僅少となっていることが多く、出展の際、在庫品の出品も取り揃えていただける配慮も嬉しい。たのめナイン、ギオンフェスティバル、曖昧フェイバリットシングスなどの作品を購入するならこの機会を逃すな!

ひとりじゃ、生きられない。 予約あり
「?」と思ったあなたは正解。これがブース名。しかも今年春に頒布された「カゲロウ」は見事ゲームマーケット一次通過、とにかくプレイ後の余韻も含めた全体的な満足感は他の作品を凌駕する。
今回の新作は「嵐の前の静けさ」、テーマとなっているのは冬虫夏草、中国では漢方薬として用いられるあの菌類。生存競争の厳しさと、それにまつわる自然の摂理を、堅苦しい説教ではなく、ボードゲームを通じた「学び」という形で提示する、これもまた楽しみ方の方向としては別次元のベクトルではないだろうか。

HammerWorks
前回春では「ほんの気持ちです〜雅〜」などの隠れた名作を手がけた本ブースの新作は「画数加留多」、画数を手掛かりに行う?かるた?
と???が脳内を渦巻くばかり。情報が集まり次第予約する予定。

モグワイ 予約あり
新作「朧ニンジャスタートリック」は変則のトリックテイク。ん?そういえば前回からなんとなく「このゲームはトリテです」といった看板の作品をさほど見なくなったような。そんな中、イラストはもちろん長谷川登鯉先生、コンポーネントに手裏剣型のトークンをあしらうなど豪華仕様。こちらは別のサイトで豪華仕様の通信販売も行なっている。
また、店舗ではすでに在庫がなくなった、ゲームマーケット優秀作品「8ビットモックアップ」第2版の予約も受付中。運が良ければプレゼントも。通常盤をすでにお持ちの方は入替駒を別に500円で販売(こちらは予約なし)
8ビットモックアップはデザインに佐藤敏樹さん、アートワークに長谷川登鯉先生、最近では「ダイスエイジ」を手がけた御両名、といえばお分かりいただけるだろうか。

ジョイジョイジョイ 予約あり
初出展となる今回の作品「ドロケイBAR」は、泥棒と探偵とに分かれお酒を酌み交わし、相手を潰す、という内容。イラスト、内容、カードのデザイン、全てに作者のセンスが感じられ、即座に予約した。これまで飲み比べの作品といえば「レッドドラゴン・イン」や「ドワスレ」などが続いたが、こちらは鋭い心理戦を新たにフレーバーに加えたほか、ポップなデザインと女性探偵をスパイスに用いた意欲作。期待値は非常に高い。


<物販ブース編>

久遠堂 予約あり
新作ゲーム「キツネと葡萄」の面白さは作者自身が絶賛して回っているので私が紹介するまでもなく。広いブースでは他にもTシャツや缶バッジ、そして噂の「ミープルネックレス」や、来年のミープルカレンダーといったラインナップを取り揃える。少し前に噂されていた二人対戦ゲーム「ラベノス」も試遊できるかな?期待。


ハコノソト 予約あり
スタートプレイヤーをサッと決める「ダレカラダイス」、ダイスを2個降って「ハヤオキ」「ニバン」なら二番目に早起きしたプレイヤー、と、縁の下で活躍してくれる頑張り者。ハコノソト様はグッズ販売を手がけるブースなので、先のTBCの際もオシャレな木製ダイストレイなどを販売されました。カタログに記載はなかったのですが、それらも密かに期待したいところ。

堀場工房 
「ゲーマー妻のユーウツ」は実話を基にしたドタバタエッセイ漫画で、時折「やってしまった。。」と我が身に帰ることもしばしば。春に頒布された「PACIFIC GO」や「ミカンdeキャッと!」少部数ながら「筋肉猫」なども。個人的にはクリアファイルで頒布される500円ゲームに興味津々(追記:「ねどこをねらえ」という作品)。こちら、とにかくデザインが可愛いのです。

Cygnus 
言わずと知れたゲームサプライの雄。今作は、豊田えり先生デザインの、SLをあしらったデザインの「ダイスタワースチームレイルロード」は、ダイスが転がる際の音にもこだわったという逸品。カードスタンドは視認性と秘匿性を考慮し計算されたアーチ状。他にも、前回好評を博したカードフィーダーもさらにバージョンアップ、夏の東急ハンズで注目を浴びたTOKYO HIGHWAY ORGANIZERも待望の頒布と目移りするラインナップ。

BGM盤上遊戯製作所
ゲーム制作者向けに各種ブランクチップやカードの販売をされるという発表。前回名古屋では、とても綺麗に装飾されたカタログやサンプルチップも無料で配布され、それを眺めたり触れたりするだけでも十分価値はあった。製作者ならずとも、ボードゲーム制作って何?と興味の湧いた方は是非。

厚紙加工のコムス
こちらもダイスタワー、しかも紙製で折り畳み可能、頒布されるかは未定ですが、一見の価値はあるものと思慮。こちらでもゲーム制作の際の見積もり、商談会等を行うことを明示しております。私は直接相談に乗るわけではないのですが、興味のある方は是非。



すみません!案の定全てを網羅することができませんでした。
次回、後半に続きます。




2017年11月8日水曜日

ゲームマーケット秋、個人的購入備忘録|前半戦

ゲームマーケット秋、私も出展者として参加する。

だからと言って、購入数が減るわけではなく、むしろ予約数は前回春に比べ増加の一途を辿る。

今回は私個人が「予約済み」「購入予定」として、リストに含めているものを、備忘録として公開し、皆さんにもぜひオススメしたいと思います。


しかし、いざ記入すると、あまりに多過ぎてしまい、これはさすがに記入できる量の限界値を突破してしまったので、やむなく前、後編に分けることとした。

※「予約あり」という欄には直接フォームに飛ぶことが可能です。ただし、11月8日現在であり、製作ブースの都合により予約終了となる可能性があります。ご了承ください。



なお、こちらに記載されているリストは、まず間違いなく私、バンちゃんが購入、または予約済みのものだけを掲載しておりますことをあらかじめご報告いたします。念のため。


つかぽん 予約あり
今年のゲームマーケット最有力候補とも称される大人気パーティゲーム「ボブジテン」から待望の拡張が登場、「ボブジテン2」には身振り手振りで相手に伝える新たなキャラクターが、「私のボブジテン」には自分の好きな言葉を書き込めるブランクタイプのカードが、それぞれ混ぜて使用できる。
単に混ぜて遊べるだけではなく。使用することで、旧作が一層輝きを増す非常に素晴らしい拡張と言えるだろう。

BraveLily 予約あり
BraveとLilyによるユニット(土曜のみ)、こちらも今回初出展。特にLilyさんは現役の高校生 、とは言えその実力は「かくよむ甲子園出場」の実力をもって推して知るべし。
各所に練り込まれたシステムはシンプルながら洗練され、また、ファンタジーの雰囲気をデザイナー独自のセンスで構築した世界観に注目したい。
新作も「まどつく〜魔導書を作ろう〜」「傭兵の賭け事」「Secure Gesture」と豪華3作品+αを用意。さらに、ブース展示にも工夫を凝らし、ブース内もコスプレを行うなど、今回の出展にかける意気込みは他のブースに負けじと劣らじ。

ぎゅんぶく屋 
翔さん主催「ボドっていいとも!」第1回放送分から話題沸騰、人狼ベースでありながら軽いテイストでプレイできるので何度でも違ったテイストが楽しめ、その都度「次はこの役職で」「次はこの戦略で」といった戦い方を試したくなる作品。都内各所で開催された体験会でも人気騒然。今回はワンナイトマンションの他、前回春でも人気を博したスノーマンション+拡張、日曜出展時はオオツカ製作「ブックメイカーズ」の委託販売も予定

ハッピーゲームズ 予約あり
グラフィティ(落書き)+バックギャモン、略して「グラギャモン」、大人な雰囲気、でも実は中身が非常にフレンドリー。バックギャモンに初めて触れるという方にも手に取ってもらいたいという思いから、理解しやすい言葉使いや、少々難解な用語を極力排するなどといった読み手に優しい配慮も嬉しい。また、さすが本職とも呼べるデザインセンスの良さなど、その取扱説明書の素晴らしさは一見の価値あり。

ゲームNOWA
関西のデザイナーが手がけた、何度もテストプレイを重ね、丁寧に丁寧に作成されたという新作「戦国ドミノ」を主軸に、アニマルズなどを出展。戦国ドミノは戦国につきものの「豊臣」「徳川」が不在(織田、毛利、武田、上杉の4人)の、まさに通好みのチョイス。もちろんデザイナーは麻雀、ごいた等伝統遊戯の世界にも精通されているかぶけんことかぶきけんいち氏。色鮮やかなアブストラクトを彷彿とさせるゲーム性の中に、コプラス、エルタイルズ等デザイナー独自のエッセンスも垣間見える不思議な作品に思わずこちらから引き込まれる。

一年中未来 予約あり
大怪獣コトバモドスの英語版「ぽんこつFACTORY」は当初の段階から話題沸騰。コトバアワスは夏のTBCから個人的に期待していたワードゲーム作品。コトバアワスは500円のシンプルなゲームながら昨今流行の使い切り型の作品。どう言葉の技術を絡めていくのか、期待したい。

コンバディダス 予約あり
新作DEKITA!は一人から楽しめるカラフルな頭脳派パズル。見た目とキャラクターだけにとどまらず、初級へ、中級、上級編とズルズルと知らぬ間に引き寄せられる自在の変化に富む様で、すでにテストプレイの段階から各所のデザイナーの報告が上がっている。作者によるツイッターでは定期的に「詰めDEKITA配信」といったサービスなどその精神には余念がない。

ノスゲム 
マムマムマーガレットは完全手作り。それは木の素材だけではなく、巾着の布地に至るまで職人の手によるこだわりが見られる逸品。前回春は朝6時ごろに待機列に並んでいた人すら入手できなかったと噂されるほどの人気を博す。
今回は他に、ゲームマーケット内の会場内でも活躍すること請け合いのミープルバッグ2種(予約終了、当日販売あり)などを用意。

OKAZUbrand 予約あり
新作はネズミ海賊が主役の「ラッタニア」と「かうんとり」の2種。重量級から軽量級まで自在にこなし、海外メーカーからも表彰されるなどその評価は折り紙つき。
今作の取扱説明書では、これまでフライヤーとして別添だった説明マンガを取扱説明書に取り入れるといった意欲を見せる。
ブースではデザイナーとイラストレーターの仲睦まじいご夫婦が笑顔で対応されますので、購入する側もほっこりした気持ちになれます。


オオツカ製作 予約あり
ボードゲーム番組「喫茶安元」のディレクターを務めるなど、今年一年非常に多忙を極めたであろう放送作家大塚健吾氏による新作「ブックメイカーズ」が目玉。カード一枚一枚に詳細に記載された各キャラクターの裏設定やメッセージに、少年マンガ好きなら思わず口元が緩む。少年雑誌をモチーフとした装丁にも注目。

ケンビル 
新作「バイバイレミング」は愛嬌のあるキャラクターだけにあらず、その中毒のあるゲーム性は都内各所のゲームカフェ等で絶賛、ディアシュピールのまつなが氏もその面白さを賞賛する。いち早く手に入れたいという方はクラウドファンディングを利用するのも手。またマモノノ第2版はパッケージを一新して再登場。

高天原 一部予約あり
新作は可愛いワンちゃんが主役の「わんわんわんだふる」、ペンギンパーティのルールを基軸とし、愛くるしいキャラクター、それだけにとどまらず、高天原が持つ独自のジレンマを絡ませたゲーム性は存在するものと期待。それらが決して喧嘩することなく程良い頃合いで調合されている組み込み方はもはやベテラン職人の領域。
人気の「ホメロー。」「寿司カッパ」なども少部数頒布あるようですよ。

ポリゴノーツ 予約あり
前回春は大行列を形成したブースの一つ。ファンタジーの鮮烈な部分と神話的な部分のみを抽出した透明感のあるデザイン、そしてそれらが織りなすストーリー展開は今回も忠実に継承されており、続編のような新作「星龍の冠」「勇士の楔」もすでに期待大。
購入時、先着順に弱者の剣(カード補強版)が当たるスピードくじを行うとの情報が。

ASO部 
一部界隈で話題となっていた「大喜利+人狼」の人狼ゲーム「大狼」。その面白さは想像の域を超えること間違いなし。お題カードも豊富。飛び出す回答の展開に苦悶と笑いが混在するカオスな世界となることを今から想像するだけでわくわくする。

ゆるあ〜と 予約あり
ゲームマーケットの作品にもドイツゲームを意識した作品は多いが、こちらもその中の一つ。見た目敬遠していた「少し手強そう」だと思った作品が、案外フレンドリーな内容だった時の、一気にその間が収束するような感触、おそらくこの「ハンザの女王」にはそんなデザイナーの「触れてみて、遊んでみて、楽しんでみて」といった熱意のこもったメッセージが伝わってくる。まだ事前情報に過ぎないが、これは即座に予約して正解だったと思う。

daitai
春に引き続き「じゃれ本」を頒布、人気ポッドキャスト「ほらボド!」番外編でも取り上げられ、そのカオスな内容に皆がとりことなった、皆が寄せ集めた文章で短編小説を作成するゲーム。



後日、後半戦に続く。(描いてて思いましたが、これ、中盤戦になりそうな気が。。。)





2017年10月30日月曜日

子どもたちの意識と空間の話〜私の信州ボードゲームフリマスタッフ体験記〜

信州ボードゲームフリーマーケット

10月29日に行われるこのイベント、1ヶ月前から注目していたのは私だけではなかったはずだ。
ゲームマーケット前に少しでも買い控えしておきたいこの時期に、フリーマーケットで格安でボードゲームが手に入る、というだけでもありがたいというのに、有名ポッドキャスト「ほらボド!」のmomi氏や「今夜もアナログゲームナイト」の太陽皇子らスタッフも参戦されるというではないか。
その上、出展ブースも数多く、中にはゲームマーケット出展を見送られたために、今回のイベントを逃してしまうと、しばらく当該ブースの作品が入手困難となるのではないか、と危惧する作品もちらほら。
何より、能登ごいた保存会松本支部といえば、言わずと知れた、この度のごいた大会優勝の成績を誇る団体。ごいたに関しては看板を掲げる場所である。

言うなれば、トップアスリート勢揃いの世界陸上、といったところだろうか。

指折り数えつつ、軍資金なり当日の服装なり、準備を整えていると、ふとこんなツイートが目に飛び込んできた。

「当日のスタッフを募集しています」

せっかくのイベント、どうせ参加するならば、スタッフとして参加した方が、俄然面白いに決まっている。
私はツイートの内容もロクに確認することなく「スタッフ参加って、まだ間に合うのかな」といったツイートを流した。

実はこの募集、とうの昔、9月頭に募集自体が締め切られており、ツイッターの機能で昔のツイートが掘り起こされただけだったようだ。
たまたまツイートで流れたことをきっかけに、あれよあれよと事が運び、私はつい1週間前くらいから、お客の立場から一転、スタッフとして動くこととなった。

当日朝、なんとか台風の影響を受けつつも、天気は小康状態、

大きなスーツケースでは足りずに衣装ケースに買い物袋まで下げ、朝5時、一路長野県塩尻市へと向かった。

朝9時塩尻えんぱーく開場。
えんぱーくとは図書館と併設された会議施設。早朝から自習に訪れる学生で溢れる場所。おのずと言葉は抑え気味となる。

雨脚はこのころから強くなり、来場者数を少し気にかけていたが、それは杞憂に終わった。
フリーマーケットが大きく掲げられている本イベントではあるが、連珠、ポーカー、ごいた、モノポリーといったアナログゲーム全般の体験卓を広げている点が特徴だ。
館内は基本的に飲食も自由であり、美味しいコーヒーを提供するブースも並んでいた。


私の担当した親子ゲームブースは終始客足の途絶えることのない盛況ぶりを見せ、会場前「機を見てご挨拶に伺います」と回った私の言葉は見事に空振りに終わってしまった。
思えば、このところボードゲームクイズの小冊子に明け暮れており、ボードゲーム会はおろか、ボードゲームの説明自体久しぶりの体験だった。
慣れていないと、これほどまでエネルギーを消耗する行為だったとは。

終盤から言葉もしどろもどろとなり、子どもたちのパワーに押され気味となってしまったことは、大いに反省するべきだろう。

その中で、いくつか自分の中で分析できたことがあるので、備忘録としてとどめておきたい。

1 ボードゲームの普及について

持ち込んだゲームに関し、特に有名なものに関しては「これ知ってるー」「持ってるー」という声が上がった。
アナログゲームのイベントゆえ、親御さんもそれらに寛容なことであるといった認識はあったが、まさか宝石の煌めきを指差して「僕これ強いんだよ!お姉ちゃんに教わった」と自慢する小学1年生がいらっしゃったことは、正直驚いた。

特に「ブロックス」「ナンジャモンジャ」「ヒューゴ」などの、比較的安価かつ一般量販店でも入手可能な作品に関しては、幼稚園や保育園等でも遊具の一環として活用されているようで、それらで遊んでいる、説明もできる、というお子さんの声も多かった印象がある。

だから、かもしれないが、真新しいボードゲームに食いつきが良く、事前に主催者から「入手可能な作品をなるべく勧めるように。せっかく遊んだからには、入手できるようにしたいから」という意見を元に、なるべく一般量販店でも入手可能な作品、とりわけ、ゲームマーケット等でも入手が困難な作品は避けるよう心がけたのだが、子どもたちの興味を引いた作品は見た目の可愛い、見たこともない作品へ向けられていた印象がある。
具体的には「ひつじ算(鍋野企画)」や「みかんdeキャッと!(堀場工房)」のウケが良かった。

2 関連グッズも侮ってはいけない
 
加えて、今回ポーカーチップやプレイマットも、今回きちんとしたものを用意した。その辺りに興味を示す子も多く、ポーカーチップ(ハナヤマのプライムポーカーチップ)をしげしげと眺める子ども、ひらすらプレイマットを撫で回す子どもなど、こだわるところを、やはりきちんと見ているのだと実感した。

3 子どもたちの意識の変化

子どもは正直だ。ゲームがつまらなくなると「別のにしてー」と即座に、かつ声高に訴える。
負けが込んでいる時、説明が長い時、展開が退屈になった時、等々。
「これよりDSの方が面白いよ」とわざわざ叫ぶ子どももいらっしゃった。
確かに、計算も駒を動かす動作も、片付けなどの一連の所作も全て自分が行わなければならないアナログゲームの世界において、なんでもボタンを押すことで一切の動作を済ますことができ、その上、年齢に応じた愛嬌のあるキャラクターが待ち構えるデジタルゲームの世界は、子どもに限らず、全ての年齢層にとって魅力的に聞こえるはずだ。

そういった道に対し、あえて「こっちも面白いよ」と声をかけることはしなかった。
魅力を広げることが目的の軸から外れてしまう点、大変申し訳ないが、それらに多大なエネルギーを浪費するより、アナログゲームに興味を持ち始めた子どもに、もっと色々な作品があることを知ってもらった方が有益で、展望が開けると考えたからだ。

冷たい言い方になるかもしれないが、デジタルが良いならデジタルの道に進めばいい。
もしもデジタルの道を頓挫し、少しでもアナログゲームの道に興味を持ち始めた、その時に初めて魅力を存分に語ってあげたいと思う。

「ほぼ日手帳、今日の一言(10月30日付)」に、こんな言葉があったので紹介したい。

「自分はこうだから、みんなもこうなってね」というんじゃなくて、
「自分はこうで、みんなは違うけれど、まぁ、それもあるんじゃない?」
というふうに思えるかどうかが、すごく大きい違うなのかなと思います。
いまの時代、それが足りない気がして

「吉本ばななさんが「本当の大人になるために。」の中で」


そうこうしているうちに、時計の針は4時を回り、閉館の時間を迎えることと相まった。
名残惜しそうに「ねことねずみ」のパッケージを眺める子どもたち。

走りきった。限界値を超えて、走りきったのだ。

ふぅと息を吐くと、脳内で放出されたであろうドーパミンが一度に抜け、私の身体を疲労が襲う。
近くのソファにへばりつき、ぐったりとする。開演から、トイレに一度立ったきり、何も口にしていないことに、今さら気がついた。
うつむいているわけにはいかない。最後の気力を振り絞り、撤収の作業へと向かう。

大勢の人でごった返したであろう会場は、気がつけば、元の図書館・会議室としての顔を取り戻しつつあった。
いそいそと荷造りを始めている福井六段のテーブルに駆け寄り、にゃんこならべだけは首尾よくゲットすることができた。それだけでも御の字と言えるだろう。

スタッフが集まっている。
主催者を始め、各物販、体験ブースの担当者、ポッドキャスト収録のために名古屋から駆けつけたアナログゲームナイトのスタッフ、少しでも貢献を、という気持ちで出店に臨んだというほらボド!のmomi氏、疲れているであろうに笑顔どころか周囲の冗談にもリアクション込みで受け答えするいず嬢、松本ごいた会の緑色のはっぴを身にまとった監査官氏は終始会場を上へ下へと駆け回っており、感謝の言葉すらかけるタイミングを失してしまった。

皆、汗が輝いていた。
きっと、客として参加していたならば、出会えなかったであろう光景だ。思わず、胸がジンとアツくなった。

終礼が始まる。
大きなダンボール数箱はあっただろうかという中古ボードゲームはほぼ完売、空になった衣装ケースだけがうずたかく積まれていた。
momiさん、ノスゲムさんのブースも閉会を待たずして完売という成果。ごいたやバックギャモン、ポーカーなどの体験卓も大勢の人で賑わっていたと話す。

皇子がマイクを差し出す。番組冒頭のタイトルコールを収録するようだ。
「今夜も」
「アナログゲームナイト!」
誰よりも一番大きく、あたかもそれは雄叫びのような大声をあげたのは、何より私ではなかっただろうか。

皆が会場を後にし二次会の会場へと向かう。
とばりを落とした会議室は、静寂がこだまし、打ち付ける雨の音がこちらにまで聞こえるかのようだ。
私は打ち上げの列に続きたい気持ちを抑え、雨の中、家路を急ぐべく、車を走らせた。


無償ボランティアの問題が、ツイッター界隈に限らず、昨今話題となっている。
人間、生きていく上で、やはり金銭的な報酬があれば、俄然やる気が出るものだ。
やりがいだけでは人は動かない、そうバッサリ言い切る人だっている。

報酬、その言葉を、どう捉えるか。
金銭がなければ、確かに腹は膨れない。ボードゲームだって、目に見える報酬があるからこそ、勝利点を通じた勝ち筋を見いだすことができるわけだし、カタンなどの交渉ごとだって、徳や人情があるというだけで世界大会を乗り越えられるほど世の中は甘くはない。

しかし、金銭を通じた「自己肯定感」があれば、生きていくことはできないだろうか。

他者貢献、しかしそれは「自己満足の塊」にすぎなくたって構わない。

「笑いの文化人講座」(ホットカプセル出版)の、とある投稿に
「いつもクラスの掃除を頑張っているTくんに、どうしてどこまで頑張るのか尋ねたら、
「俺がこの世を変えてみせるという大きな勘違いじゃ」と返ってきた」
というネタがあったことを、ふと思い出した。
それに、なんとなく似た心境だ。
この大いなる自己肯定感、「自分がここにいてもいい、むしろ、ここに自分がいるからこそ、この組織が成り立っている」という、それは大いなる勘違いだっていい、それら居場所の探求こそ、ボランティアの真の定義ではないだろうか。


全体の輪の中に「自分がいてもいい」そして他人がそれを許容してくれる世界
それをアルフレッド・アドラーは「他者貢献」という言葉で表現した。

そんなことをボンヤリ思い浮かべながら、私は家路に着くやいなやドッと疲労に襲われ、祝杯をあげる用意もそのままに、床についたのだった。

お声がけくださった監査官様をはじめ、信州ボードゲームフリーマーケット主催者様、スタッフの皆様、各出展ブースの方々、そしてお足元の悪い中、来場されました皆様に、心から感謝致します。











2017年10月20日金曜日

「継続は力なり」の真意とは

(10月22日(日)更新)



中国の老子の言葉から引用する。

「反は道の動なり 弱は道の用なり 天下の万物は有より生じ 有は無より生ず」
(老子 第四十章より)

意訳があるので引用すると、
「この世にあるものは衰えたり、倒れたり、死んだり、消えたりして自然の力の中へ戻っていく。それがタオ(道の精神)の働きである。そしてこうした全てのことは、強引ではなく、柔らかで弱い力によって行われるのだ」
(バカをつらぬくのだ! バカボンのパパと読む老子・実践編 ドリアン助川著)

何か物事を成し遂げようとするならば、強い力ではなく、柔軟な力で行うこと、これはむしろ「イソップ童話」の「北風と太陽」から引用すればわかりやすいだろうか。

本日昼ごろ、ゲームマーケット公式から、関係各位に対し、ブース番号と、配置場所に関するメールが届いた。
各々が場所に関し一喜一憂する中、ラブリー会様からこんなツイートが流れてきた。

「ゲムマに幸あれ仙台より」

ラブリー会といえば、ゲームマーケットの常連中の常連であり、これまで「天空の島ラピッタ」などのパロディ作品で愛されていた。
今回秋、爽やかなオリジナルキャラクターを携えての参戦が期待された、

はずだった。

第三者が細部の事情を勘ぐるわけにはいかない。
私はひたすらゲームマーケットに向けての声援が続くツイートの流れを、ただ呆然と眺めるだけで、それ以上の詮索を取りやめにした。

指でツイートを流しているうちに、こんな言葉に、ふと、目が止まった。




「ラブリー会のボスに今回ゲームマーケット休んで充電すること伝えたら驚いてた。そう休むことの重要性を経験から学んだのだよ。面白いゲームを作り続けるためにね(笑)」



続けることの難しさ、頭ではなんとなくわかる。継続勤務や欠席、欠勤のない人間は、それだけで信頼される。
フランスの番組「Tout le monde veut prendre sa place」(「誰もが彼(チャンピオン)の場所を取りたい」のフランス語、日本でもかつて「連続クイズホールドオン!」の名称で放送された)でも、その場で高得点を稼ぐクイズ王より、何日も連続してチャンピオンシートの座を保持し続けた人間が、結果としてその後スターダムとしての地位を築いている。

語弊が生じるのを覚悟の上で話すならば、「高圧的な力を瞬時に発揮する」それは比較的容易に行うことができる。

問題は先に挙げた「継続性」の問題だ。

簡単な物事を、飽きずに何度も行うことの辛辣さ
これに関し、多くの障壁は「自分自身」との戦いだ。
多くの場合、自分に負けている、負けるというより、侮っている。
それは私の見る限り「普段から頑張る人」に多くあるように思える。
例えばダイエット、痩せようと努力した結果、見事成功した人の多くは、普段の食事や運動の量を無理のない範囲で、長いスパンで行なっている。
失敗する人の多くは、さもアスリート顔負けの無茶な運動メニューや食事制限等を自分に課している。さながら「ダイエットを頑張る」という行為で自分を縛っている傾向にある。

なぜか
頑張る人にとって、何かしら休むこと、ダラダラすることを軽視しがちであるからではないか。
休むことに関する罪悪感や、無理、無駄、ムラを感じるといった、
「今日は一日中寝てばかりだった。あー、無駄な1日だった」
などの言葉に、強く抵抗感を抱く。
あなたは頑張りすぎた、体が休むことを欲していた、
その危険信号に、従順になったと考えれば良いのではないか。
自分だけではない、周囲が
「寝る暇があったら勉強しろ」
「口動かしてる暇があったら手を動かせ」
そんな言葉で人を縛り、無理・ムダの排除、効率化の促進、など体裁を整えた上で、人を都合よく縛っているのではないだろうか。
余談ではあるが「縛る」は英語で「bind」バインド。TCGをはじめとした各種カードゲームではこのカードがいかに恐ろしいか、すでにご承知おきのことだと思う。



(※参考:「バインド」カルドセプトより)

「継続は力なり」

多くの場合、この言葉を「継続することは力である、継続することにより、いつのまにか、凄まじい力となって成長を遂げる」という意味合いで使用する。

ここでは敢えて「継続することで力が入るならば、継続しないことで、一旦力を抜こうではないか」と捉えてみたい。


長く継続していることが、何らかの形で中断を余儀なくされる、
それはある意味大変なストレスであると同時に、一方で、多く肩にのしかかっていたプレッシャーからの解放にもつながる。
肩の荷が降りて、呼吸が楽になった、と語る人もいる。
それだけ「継続」することは、たとえそれが弱い力であったとしても、大幅にエネルギーを磨耗するのだ。

ゲームマーケット、今日を含めて本番まで残り41日、概算で1ヶ月と半分だ。
これからは、入稿、ブログ掲載、体験会、それに加え、情報戦や、各種チケット等、ますます多忙を極めることとなる。
片意地張らず、
「できないことはできない」「無理なら無理」「次は頑張る」
そう宣言する勇気を持つこと。

大丈夫、あなたを心から信頼するユーザーは、あなたの帰りを玄関を開けていつでも待ってくれるはずだ。


全ての製作者様と、当日、笑顔でお会いできるよう、お待ちしております。




2017年10月14日土曜日

見て、聞いて、会話して、わかるアナログゲームの本質とは

かなり昔、今調べたところ、2004年の出来事だから13年も前のこと。
文化庁メディア芸術祭の授賞式を見学する機会があった。
一般参加者として各部門賞のインタビューを拝聴できると聞き、喜び勇んで席に飛びついたのだ。
その時の受賞作の1つに、任天堂の「まわるメイドインワリオ」が登場した。

インタビュー冒頭に、当時流れたCMが放映される。



今となってはすっかりおなじみとなったこのスタイルも、先駆的存在はこのメイドインワリオシリーズとなる、といった話で展開される。
「ゲームだけではなく、遊んでいる姿も楽しい、それを知ってもらいたかった」

この「まわる〜」は、これまでの携帯ゲーム機としては珍しく、本体を傾けると、それに連動して内部の画面やキャラクターも動くといったシステムを採用している。
実際に動画を見てもらえば一目瞭然だが、その所作が実に滑稽でならない。

最近「ようがくじ不二の会」様から購入した「けん玉カード」の影響を受け、自分の中にけん玉熱が再燃している。
大皿、小皿、中皿、剣、の順番に玉を運ぶ、いわゆる「世界一周」すら今の腕っぷしではままならないが、それでも一度剣に刺さった時はえも言われぬ快感を覚えるため、暇を見つけてはコツコツと続けている。

動画を漁ると、けん玉の名手と呼ばれる方をはじめとし、けん玉に最近ハマったというノンスタイルの石田明さんらのけん玉動画などが多数アップロードされている。
いずれも「初心者です」とは私目線では言い難いほど卓抜した腕前を披露している。


ボードゲームで「楽しい」と思う瞬間、それはあくまで私見となるが、脳が感じた「面白い」を、視覚というフィルターを通じ、単に確認しているに過ぎないのではないか、と思うことがある。

ちょうど、痛みを感じた時、傷口の悲惨さを実際に視認したのち、改めて脳が「これは痛いんだぞ!」とワンクッション置いてから信号を送り出すような。
「あの人が楽しんでいる、笑っている。あ、このゲームは面白いゲームなんだ」
「なにやらあの人はうつむいたままだな。きっとこのゲームは大手を振って「つまらない」と言っても構わないだろう」
1つの作品が、仲間次第で、面白くもつまらなくも、どちらにも舵を切ることのできる、その最たる理由はここにあるのではないだろうか。

ノンバーバルコミュニケーションという言葉はようやく一般化した。
言葉だけでは伝えたい気持ちの7%しか伝えられない、という。
顔の表情だけで55%、声質などで38%、この2つで93%の割合を占めることとなる。


少し話はそれるが、今年の夏の名古屋ファミリーゲームフェスティバルでの出来事。
連珠の体験ブースにて、少し遊んでみたいと思い、その講師を待っていたところ、現れたのは、なんと今話題の「にゃんこならべ」でお馴染み「福井暢宏六段」だった。
恐れ老いとは思いながらも、せっかくの機会と思い、お手合わせ願ったのだ。
1つ1つの手に淀みないことは私が申すまでもなく、特に印象に残った出来事として、その「音」だ。
一手一手を「ピシリ」と、実に心地よい音を立てて打たれるのだ。
調べてみると、将棋や囲碁盤などの足の造形はクチナシを表しており、「クチナシ=他人の対極に口無し」をかけており、黙して打て、の隠喩が込められているとのこと。
一方で、将棋の駒に限って言うと、高級素材のカヤの木などは、ピシッと高い音がなるよう細やかな工夫が駒に施されているという。
中国伝承の琉球将棋「象棋(チュンジー)」も、対局中はかなり大きな音を響かせることが特徴とされる。
ごいたのアプリなどにも、カードを強く場に放出するエフェクトがかけられているなどを見ても、やはり何らかの形で、相手の聴覚に訴える手法は、古来から伝承されてきたものだろう。
そしてそれは、我が国らしい「直接相手に伝えることなく、間接的なメッセージとして」訴えかける手法」としての美を追求する形で、今もなお受け継がれているものと実感している。

先日の「ワンナイトマンション体験会」でも、私は大人気なく人一倍騒いでしまい、挙句、同時収録の音声マイクが私の声を拾うという軽いハプニングにも見舞われた。
誰よりも楽しく、はしゃぎ、それを周りに、美しさとは違う形で訴える、
それは今、何かと「見た目の華やかさ」や「メディア等の露出」といった見た目の情報量、直接的資格に訴える手段ばかりが「すばらしい、良い作品」ともてはやされる傾向に軽く疑問符を投じる意味合いもある。
見目麗しいゲーム制作ばかりにとらわれ、その先にある「ゲームは人」の基本原理を、おざなりにしてはいないか、ちょうど私はそれに立ち返る時期にあるのではないか、と考えたのだ。

「ボードゲームの何に魅力を感じる?」
それは私にとって、ボードやダイスを介した「人」と対峙し、「人」を囲み、「人」をあじわっている、その時間にあるのではないだろうか。
それはまるで、家族団らんの時間に、美味しい食卓を囲む雰囲気に似ている。
美味しい食事を囲めば、会話が生まれ、笑顔が生まれる。それこそ、料理の味なんて二の次でもいい。
私にとって、どんなに高級感あふれるゲームであっても、どんなに美麗な作品であっても、一緒に楽しくプレイできる、そんな人が一人いるだけで、いちどきに卓が華やかになる、暖かな空間が育まれる、それが作品にとって何よりのスパイスではないだろうか。

僕はそんな人物でありたいと願うのだ。

視覚にとらわれず、耳で、言葉を発して、五感をフルに使って、体感することの楽しみ、面白み、
それこそがまさに伝統としてのアナログゲームの良さであり、それらを用いた「人」を介してのコミュニケーションがあるからこそ、アナログゲームはデジタルゲームと一線を画すことのできる領域にあるのではないだろうか。

気の合う仲間とテーブルを共にするたび、いつも私の脳裏に浮かぶ。
「人を作るのは、やっぱり、人なんだなぁ」




2017年10月9日月曜日

わき道に逸れる楽しみ、とは

先日、東京・品川のゲーム喫茶「天岩庵」さんにお邪魔し、「ぎゅんぶく屋」主催のイベント「ワンナイトマンション体験会」に参加した。

ゲームはライト感覚で遊ぶことのできる人狼。話し合う時間が3分しかなく、しかも各人の役割が明確化されているため、何をすればいいのか、その道筋が提示されている分、オインクゲームズのインサイダーゲームよりも軽めの印象を受け、人狼ゲームの経験に乏しい私でも非常に楽しく遊ぶことができた。
(結果、プレイ中に「ポンコツ探偵」の異名を襲名する運びとなる(´ω`))

ゲームマーケット秋で販売されるとのことであり、今から頒布を心待ちにする一人である。

ゲームの内容は、作者によるインストや、事前の動画配信等で大方は掴むことができていた。
その時点で十二分面白さは伝わったのだが、このゲームの面白さはそれだけではなかった。

「ボドっていいとも!」第1回配信(すでに絶版とも呼ばれるが)のワンコーナー、WEB上でのゲーム先行体験の際も思わず口走ったが、この作品を遊んでいると、とにかく「独り言」が増えるのだ。
「ええ?また俺、このカードなの?いいやもう、はい、これあげる」
「いやいやいや、もう殺人者なんていらないでしょ。本当、相性いいな今日は」
「たまにはさ、執事とか客人とか普通のカードが来てもいいんじゃないのよーもう」


この独り言は、私の中で「良いゲームの証」として捉えている。

他にも「干渉戦が楽しい」「はたから見ても楽しい」など、この作品の良い部分を取り上げるとキリがない。

同日、「理想の納豆」などの作品を手がけた大塚健吾さんもお見えになった。
新作「ブックメイカーズ」には、各キャラクターのプロフィール欄一人一人に、実に詳細な設定が記載されており、私は大きな衝撃を受けた。
曰く「物語本編に、特に影響はない」とのことである。


常々考えていたことだが、ゲームで遊ぶ際、その作品の面白さを、どうすればなるべく効率よく吸収できるのか、について、少し考え過ぎてはいなかっただろうか。
その作品を通じ、いかに効率よくコマを進め、カードを切り、プレイ中にできるだけ多くの攻略法を見出し、それらの中からゲームの良さとは何かを模索する、
最近になって、そればかりを意識してはいなかっただろうか。

もっと具体的に
各種ボードゲーム会、ボードゲームカフェ等において、とにかく数多くのゲームに触れること、多くのゲームを体験すること、そればかりに傾注しては、上記のような「横道に逸れた楽しさ」をつい見落としてしまう。

きっと製作者サイドとしても、主軸のストーリーはもちろんのこと、わき道の視点にだって強いこだわりを持って作品に望まれただろうし、私が製作者だったとしても、先に話題となった「某深夜アニメの主人公の棚にそれとなくボードゲームが整理されている」といったこだわりを見せていたのではないかと考える。


クイズを作っている。
少し話題に上がるたび、手厳しい意見が上がる。
その中でも、
堀場工房の堀場さんは「クイズ集としてももちろんいいんだけど、ゲームの雑学本としても良さそうな気がする」とおっしゃってくださった。
ゲームNOWAのかぶきけんいちさんは「少なくとも自分的にこれはボドゲ界の宝だと思う」とおっしゃってくださった。
トリビアとは「くだらないこと」を意味する言葉。
クイズなんて、まさに「トリビア」の集大成だ。
効率を良しとする世界にとって、私の作品は「無駄の塊」といっても過言ではないだろう。

ゲーム、面白いよ。クイズ、楽しいよ。
でも、その「面白い」って言葉の、根本に位置するもの、あなたにとって、何?

それは単純に、プレイすること?勝つこと?

私はたまたまそうではなかった。
作品が持つ雰囲気から、細部によるこだわり、作者の愛情とも取れる演出等、その一つ一つに「深い味わい」を感じたからだ。


わき道に逸れる楽しみ、今風の言葉で「プチ贅沢」
それらを感受できることも、ボードゲームの一つの楽しみではないか、そのためには、やはり乏しい小遣いの中で身銭を切る必要があるのでは、と捉え、ゲームはなるべく「買う」ことを再確認した私なのでした。(真綿で首。。。)



2017年10月2日月曜日

ボードゲームオータムフェスタに参加して再確認できた「ボードゲームの良さ」

昨日のボードゲームオータムフェスタに参加した時の話。

トランプ屋というブースで「試遊しませんかー」と声が上がっていたので、参加することにした私。
試遊したのは「ミッチ」と呼ばれるゲーム。簡単なルールではあるが、非常に多くのジレンマが楽しめるゲームだ。

詳細、遊び方はトランプ屋ブログを参照

案の定コテンパンにやられた後、そういえば、と気がついた。
これまで私の中で、トランプといえば、ババ抜きと七並べと神経衰弱くらいしか遊べる幅がなかった。
最近になり、トランプがあれば、ブラックジャックやスピードにページワン、に留まらずゴルフにブラックレディといったゲームも普通にプレイできるようになったこと。

同じ日、久遠堂の久遠さんや江神研究所のエジンさんが、駅前西口の「ビーズ詰め放題」に反応し、「コンポーネント売っているようにしか見えない(久遠さん)」とツイートなさっていた。

これも、普通の方なら通り過ぎる風景ではないだろうか。

似たようなことがどこかで、と思い返してみれば、ボドゲde遊ぶよ!!phase8−10「くだものあつめ」を遊ぶ回の中で、登場人物のアミが、使用されているコンポーネントの一つ一つが、実はハガキやビーズを使用していたと気がつく、そんな描写があった。


小さい頃、紙と鉛筆があれば、何時間でも遊ぶことができた。
サイコロがあれば、それこそ、自前のすごろくを作り、マス目を書き、道を作り、おはじきを用意し、サイコロがなければ鉛筆を転がし、独り延々と遊んでいることができた、そんな幼少時代を送った。
大人になってボードゲームにこれほどのめり込むようになったのも、思い返せば、カウンセリングか何かの本で目にした「幼少時に楽しかったことを思い出してください」という、何気ない一文だったように思える。

今では、メモ帳と筆記具があれば、なんでもできる、いや、そんなものがなくとも、ハンドサインだけで遊ぶことができる。
大きな声では言えないが、そんな自信がふつふつと湧いている。

ボードゲームを趣味にして何が良かったのか、と、多くの人に聞かれる。
僕の回答は常にこうだ。
「遊びの幅が広がったこと」

目の前にある全てのものが、今や、ボードゲームの対象に映る。
何をどう昇華しようか、どうすれば反映できるか、と、ふと考える自分がいる。

さながら三ツ星シェフの気分だ。
一流シェフがその名を欲しいままとするのは、何も高級食材ばかりを使っているからではない。
立派な魚を一匹渡されたところで、普通の人は切り身も満足に食べられないはずだ。
一流シェフならば、テーブルいっぱいの料理を、ものの短時間で作り上げてくれる。
以前、何かのインタビューで「食材を見た瞬間「これはこれ、この部分はこれが美味しい」と、瞬時にレシピが浮かぶ」と、とある有名シェフが語っていた。
ここまでくると、割烹着姿のアルケミストと称しても過言ではないだろう。

今回のオータムフェスタでも、大小様々、多くの作品が、所狭しと並び、それこそダイスにカードにタイルに、と、個性豊かなラインナップがそろい踏みしていた。
人出が空いていたこともあり、ブースの方とも直接お話する時間もできたことも、個人的に今回の大きな利点だった。
作品の一つ一つに思い入れがあり、それぞれに魂が宿っている。今や遅しとその機会をうかがっている。


色々な意見はあるかと思う。
それでも個人的な意見を申し述べるなら、今回参加できて、本当に楽しかった。ボードゲームが好きだったこと、趣味としていたことに、改めて誇りを持つことができた。
そしてそれは、この時期、ちょうどゲームマーケットのための本格的な制作に差し掛かるこの時期がよかったのではないか、と画策している。

改めて主催者に感謝したいと思う。